プレイセラピーについて

プレイセラピーのご案内

子どもの世界は、なんて個性的なのだろう!

子どもの表現には、いつも驚かされます。みんな違っていて、それぞれの子が、それぞれの子に固有の、豊かでユニークなこころの世界をもっています。そして、過去でも未来でもなく、“今”を全力で生きています。そのようなこころの世界を、子どもたちは多くの場合、言葉ではなく、行動で表します。
プレイセラピーでは、遊ぶことを通して子どものこころの世界に寄り添い、共に見つめ、触れていきます。

プレイセラピーとは?

思春期~大人の方には,こころの問題を解決するやり方として,言葉で表現し、言葉で考えていくやり方(カウンセリング)が多く用いられます。しかし,子どもの場合は,言葉で自分の考えていることや感じていること、悩んでいることを表現することがまだ難しいこともあります。
プレイセラピーとは,子どもに対して行う心理療法で,こころの問題を“遊び”の中に表現し、そこで生まれるセラピストとのコミュニケーションを通して解決していくやり方です。 

遊ぶことが治療になるの?

プレイセラピーの“プレイ”は“遊び”という意味ですが,セラピーの中では子どもたちの行為や表現全体を指しています。プレイルームの中で展開するさまざまな表現に,その子のこころの課題や傷つきが現れ,そこに心理的な手当てを行っていくのがプレイセラピーです。ですから、遊びを楽しむことはプレイセラピーの目的ではりません。子どもにとって、結果的に“楽しい”時間になることはよくありますが、同時に、こころの課題や傷に向き合う大変な時間でもあります。

 こころの大きな変化や成長のためには、安全な場と守りが不可欠です。それは、生まれる前の赤ちゃんがお母さんのお腹にしっかりと包まれていたことや、蝶が羽を広げるためにさなぎの時期を過ごすことと似ているのかもしれません。ただ眠っているように見えて、しかし、少しずつゆっくりとダイナミックな変容を遂げていきます。
プレイルームの中での“遊び”もまた,同じ時間,同じ部屋,同じセラピスト,必要なルールといった一定の“枠”に守られています。そのような“枠”の中で“遊び”は治療になっていきます。
また、プレイセラピーのセラピストは、子どもが自分の気持ちや考えを表現し、気づいていけるようなコミュニケーションを大事にしていることや、遊びにどのような空想や意味、情緒が表れているのかに敏感であること等、セラピストならではの関わり方があります。そうした点で、プレイセラピーの“遊び”は子どもの日常的な遊びとは違っていると言えるでしょう。

対象となる問題

プレイセラピーの流れ

セラピー担当者よりご連絡し,定期的に来院できる曜日・時間を決めます。基本的には1,2週間に1回のペースでお会いします。

保護者の方へのお願い ~プレイセラピーが始まったら~

① 医師の診察について

プレイセラピーは主治医の指示のもと行っていますので、定期的に主治医の診察を受けていただくようお願いいたします。当院では、主治医とプレイセラピストが、互いに役割を意識しながら、協働してお子さんの治療にあたらせていただきます。
プレイセラピーは子どものこころの内面を扱っていくので、現実に生じている問題(家庭や学校での様子)について、基本的にセラピストから積極的に取り上げることはありません。普段のお子さんの様子や気がつかれたこと等については、ぜひ診察で主治医にお話しください。そうした情報は、プレイセラピーの中でどういったことが表現されているのかを理解するための貴重な手がかりになります。

② 守秘義務について

大人のカウンセリングと同じように、子どものプレイセラピーにおいてもセラピストは守秘義務を負います。そのため、プレイの内容や詳細について、保護者の方にお話することはできません。子どもには、家族だから見せられることと、家族だから見せられないことがあるようです。子どもが守りの中で安心して治療に取り組むために、守秘義務があることをご理解いただけたら幸いです。ただし、ご家族がお子さんへの理解を深めたり、対応を考える上で、セラピストの理解をお伝えすることはできます。

プレイルームで過ごす時間は、特別な、自分だけの時間です。お子さんがプレイセラピーについて語りたがらなかったら、どうか追及はせず、“何か大切なことをしているんだな”と大らかなスタンスでいてあげてください。もちろん、お子さん自身が何をしたか話したい、作ったものを見せたいといった時は聞いてあげていただけたらと思います。

③ プレイセラピーが進む中で生じる悪化の可能性について

プレイセラピーの中で子どもが安心して気持ちを表現していくにつれて、日常生活の中で言動が激しくなるなど、それまでとは違った様子をみせることもあります。ポジティブな感情だけでなくネガティブな感情にも目を向けていくことで生じることがありますが、セラピーが進む中でやがて落ち着いていきます。一時的なものですので長い目でみてご対応いただけたらと思いますが、お困りの際はぜひご相談ください。

④ プレイセラピーはお子さんを支える柱のひとつです

プレイセラピーは、お子さんをサポートする柱のひとつにはなりますが、ご家庭や学校等、お子さんを支える他の柱があってこそのものです。また、いつかなくなるものでもあります。その時々によって、支える柱の太さや数は変わることもあるかもしれませんが、共に支えていくことが大切です。

⑤ プレイセラピーの終わりについて

プレイセラピーから捉えられるお子さんの“内面の変化”、家庭や学校で見られる“現実での変化”等をあわせて検討し、その時がきたら本人と一緒にセラピーの終結について話し合っていきます。こころという目に見えない繊細なものに触れていく作業のため、わかりやすい変化がすぐには感じられず、もどかしく思われることもあるかもしれませんが、長い目で見ていただけたらと思います。

※その他、プレイセラピーについて気になることがおありの際は気軽にお尋ねください。